脚本家向田邦子さんが亡くなって早40年経ちます。
ボクは向田さんの関連本は山田太一さんの本と共に、一ファンとして、様々買って読みました。
生前の向田さんの写真はモデルみたいにちょっと気取って、ポーズをとったキレイで艶のある写真ばかりでした。
斜めを向いた写真もたくさんありました
そのはず、どれも、プロの写真家の恋人が撮ったものだからでした。
残念ながら、向田さんに直接、お会いする機会はありませんでした。
『寺内貫太郎一家』の演出家久世光彦さんは向田邦子さんに勝るとも劣らない
文章家でした。
久世光彦さんの向田邦子さんとのエピソードを書き連ねた随筆「触れもせで」で次のような艶っぽい文章があります。
「遅刻」
「・・・とにかく向田さんはほんの2、3分遅れてきたような顔で私の前に格好よく足を組む。
取り立てて長い足とは言えなかったが、足の組み方が上手な人だった。
そして、その日も素足だった。
私の知っている向田さんはいつも素足だった。
くるぶしのあたりに走って跳ねた泥が飛んでいた。
ストッキングに跳ねてこびりついた泥は醜いものだが、素足のそれはちっとも嫌な感じではなかった。
でも、それは向田さんだったからそう思ったのかもしれない。
その泥を気にしておしぼりで拭いたりしないで、平気な顔をしているのが彼女らしかった。・・・」
これは強烈な片思いの思いを綴った文章ではないでしょうか。
向田邦子さんの人生をドラマ化したら、どんな女優が演じたらいいのかしら?
蒼井優さんがボクのイメージです。