「触れもせで」「向田邦子との20年」久世光彦

f:id:sugarbabe49:20220117183825j:plain

f:id:sugarbabe49:20220117183842j:plain

脚本家向田邦子さんが亡くなって早40年経ちます。

ボクは向田さんの関連本は山田太一さんの本と共に、一ファンとして、様々買って読みました。

生前の向田さんの写真はモデルみたいにちょっと気取って、ポーズをとったキレイで艶のある写真ばかりでした。

斜めを向いた写真もたくさんありました

そのはず、どれも、プロの写真家の恋人が撮ったものだからでした。

残念ながら、向田さんに直接、お会いする機会はありませんでした。

寺内貫太郎一家演出家久世光彦さんは向田邦子さんに勝るとも劣らない

文章家でした。

久世光彦さんの向田邦子さんとのエピソードを書き連ねた随筆「触れもせで」で次のような艶っぽい文章があります。

「遅刻」

「・・・とにかく向田さんはほんの2、3分遅れてきたような顔で私の前に格好よく足を組む。

取り立てて長い足とは言えなかったが、足の組み方が上手な人だった。

そして、その日も素足だった。

私の知っている向田さんはいつも素足だった。

くるぶしのあたりに走って跳ねた泥が飛んでいた。

ストッキングに跳ねてこびりついた泥は醜いものだが、素足のそれはちっとも嫌な感じではなかった。

でも、それは向田さんだったからそう思ったのかもしれない。

その泥を気にしておしぼりで拭いたりしないで、平気な顔をしているのが彼女らしかった。・・・」

これは強烈な片思いの思いを綴った文章ではないでしょうか。

向田邦子さんの人生をドラマ化したら、どんな女優が演じたらいいのかしら?

蒼井優さんがボクのイメージです。