六年ぶりの山下達郎さんのツアーを見た。何しろ、達郎さんのいたシュガーベイブのデビュー前から、19歳の頃の達郎さんから、追いかけている自分としては、本当に感慨深いものがある。
そして、達郎さんも56歳になった。
信じられない。僕の知っている達郎さんはミッキーマウスのTシャツを着ていた。これほんと。
だって、37年前のことだもの。
アメリカポップスを信望するミュージシャンがアメリカのポップの象徴ミッキーを胸につけていたのだ。当時、決して、ブリっているのではなく、そのセンスは格好いいと思った、心底。
今回は、僕の昔の音楽の仲間で、達郎さんのレギュラーコーラス隊の国分友里恵ちゃん(中山美穂さんの「ただ泣きたくなるの」の作詞者でもある。友里恵ちゃんの旦那様岩本正樹さんが作曲している。名曲である)に席を確保してもらった。これがいい席で、達郎さんと真正面。
昔から変わらない、ちょっと猫背でギターをカッティングし、熊のように徘徊する達郎さんスタイル。達郎さんは、シンガーではあるが、プロデューサーやアレンジャーを兼ねた人間。裏方の職人的要素の強い希有なミュージシャンだ。だから、どこか裏方が、表舞台でスポットを浴びて、歌っている照れているみたいなところが達郎さんにはある。その照れを見ると、この人のミュージシャンとしての清らかさを感じる。
「イエ〜〜〜〜」と雄叫びをあげ、首を上下し、気がふれたようなパフォーマンスばかりが目立つ、どこかのロッカーとは音楽偏差値が天と地ほど違う。
そういうことはロックの本質とは何の関係もないことなのだ。
来ているお客さま達が、実にコンサバである。
観客席を見回すと、まるで、小朝さんや立川志の輔さんの落語ファン(笑)と共通している落ち着いた雰囲気がある。
これから見に行くお客さんもいるので、ネタばらしになるので、多くは語らないが、セットもいつもながら、渋く、それでいてPOPだ。
僕は達郎さんのアルバムジャケットを並べて見て、いつも感じる事だが、この人はアートディクレクターとしても才能がある人だと思う。それが、舞台セットにも生きている。
青山純さんの代わりに入った小笠原拓海さんのドラムプレイ、恐るべし!驚異の実力派若手ドラマーがリズム隊を支えた。
ライブ終了後、楽屋に挨拶に行き、その足で恵比寿にて、ラサール石井くんと合流。現在、WOWOWでカメラを廻し、僕がかかわっているドキュメントで、彼を追いかけている。4年越しの企画が通った。ラサール石井の商業演劇の演出家としてのもう一つの顔を追っているのだ。石井くん演出の中村勘三郎さん、藤山直美さん、柄本明さんらの出演する「帰って来た浅草パラダイス」開演の前夜の飲み会になった。もう、演出家石井くんとしては、やることはやった。本番を待つのみで、とても、安堵を感じていた様子だった。
この後、石井くんは志村けんさんや、上川隆也、平幹二郎さんの芝居の演出が控えている。こういう演出家の一面を意外に世間は知らない。こういう彼の一面を知らしめたくて、今回の取材を半年近く続ける。
※告知 ラジオ日本の「ラジカントロプス2.0」http://www.jorf.co.jp/PROGRAM/radio.php
に、以前から親しくさせていただいております、現在、最も信頼が出来て、そして、論評がおもしろいITジャーナリストの佐々木俊尚さんがゲストで、僕とお話させていただいております
佐々木さんは本来、NHKのクローズアップ現代、朝生などにも出演なさる硬派なITジャーナリストですが、今回は実に愛くるしいご本を出版を初めて出版なさいました。
携帯小説家10人に取材なさって書いた本「ケータイ小説家―憧れの作家10人が初めて語る“自分” 」を佐々木さんはお書きになりました。一体、携帯小説家の実像とは?年収は?一般の小説家と彼らの作品の差異、地方に読者が都市より多いその理由とは?
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