五木寛之さんの一人勝ち <老人型自己啓発本>

 



90歳の樋口恵子さんの「どっこい生きてる90歳」、98歳の佐藤愛子さんの「
九十八歳。戦いやまず日は暮れず」と高齢者エッセイが売れている。

いつの時代でも書き手が高齢者である場合、それがベストセラーを牽引する。

高齢者社会の現代に求められているのは当然である。

ひと昔前ですと、宇野千代さんだ。

高齢者でもないのにボクは20代から宇野千代さんの随筆を人生の役に立つ先人の教えになるかと読んだものだ。

この場合、作家はいかにして長生きするかということが大事なことであり、編集者は作家をいかにして長生きさせるのか健康食品を日々、送り続けているのであろうか?

 

さて、男性作家では誰かといえば、五木寛之さんの一人勝ちである。

1967年のベストセラー『青年は荒野をめざす』の作家五木寛之さんの180度の方針転換は2003年『不安の力から始まる。

『天命』『孤独の力』『健康という病』『背進の思想』、決定打は『下山の思想』。

とにかく、老いはあきらめることを力にしようという<老人型自己啓発本>である。めざすのではなく、あきらめるのである。

五木さんみたいに作家として大成功して、お金持ちになって、美人女優と浮名を流し(真祖はわかりませんがモテそう)、好きな車を乗り回し、好きな土地に居住できたて、高齢になっても歯を磨かなくても、顔も手もを洗わなくても健康を維持できた先天的に頑丈な人だからこそ、あきらめがつくのではないだろうか?

 これはボクの嫉妬以外何ものでもないのですがw