Saul Steinberg

ビリーワイルダーの「サンセット大通り」を見直す。
かつてサイレント映画の大スターだったグロリアスワソン演じる
老いた女優がトーキー映画の出現で忘れ去られ、復活しようとする
サスペンス。
グロリアスワソン自体が、サイレント映画の大スターだったので
自虐的なキャズティングをよく承諾したと思う。
中でも、かつて本物のサイレントのスターたちと一緒にグロリアスワソンが
暇を持て余し、トランプの興じるシーンで、コメディスター
本物のバスターキートンが出演していて、ドキっとする。これこそ、この映画の隠し味のサスペンス。
さらに、グロリアスワソンがかつてサイレントの時代、一緒に仕事をした映画監督セシル・B・デミルに再会するのだが、これまたセシル・B・デミル自身が出演して自身を演じている
(この芝居がうまい)
さらに召使マックス役を好演したエリッヒ・フォン・シュトロハイム1920年代を代表する映画監督であり、彼もまたスワンソン主演の映画を監督したことがあった。これが映画の中でも同じ設定になっているから恐い!
1950年のアカデミー賞に「サンセット大通り
http://www.youtube.com/watch?v=UwxGbhclIGw&feature=PlayList&p=A23A489A6F665A09&playnext=1&playnext_from=PL&index=8はノミネートされたが、最優秀監督賞、最優秀作品賞は「イヴの総て」に取られた
 まったく、僕はこの結果が納得できない。
 「サンセット大通り」が社会人なら「イヴの総て」は質として、中学生くらいの差がある。
 キャメロンクロウの ビリーワイルダーへのインタビュー本「ワイルダーならどうする?」を読み出したが、キャメロンクロウはさすが、元ローリングストーン誌のインタビューアーだから、入念な下調べして実にインタビューがうまい。何度か苦戦し、ビリーワイルダーを尋ねる。フランシストリフォーがヒッチコックにインタビューした本「定本 映画術 ヒッチコックトリュフォー」(僕はこの本を20年前にウッチャンナンチャンの内村くんに貸したが、まだ、返って来ない。返してくれ!)が参考になっているが、もはや、それをも凌駕しそうな「ワイルダーならどうする?」はインタビューの教科書のような本だ。もちろん、インタビューする相手への熱い思いがあるからこそだ。
 キャメロンクロウはワイルダーの部屋に飾ってあった「ルビッチならどうする」(ソールスタインバーグのデザイン)を発見、それで、この本のタイトルがついたのだろう。ルビッチはビリーワイルダーの尊敬する監督。この本が出た2001年、三谷幸喜さんのワイルダーへのインタビューがテレビ企画であったが、キャメロンのインタビューのように核心に入って行けず、むしろ、三谷さんの著書「きまづい二人」のようだったと記憶する(笑)
 ソールスタインバーグhttp://www.saulsteinbergfoundation.org/gallery.html和田誠さんらイラストレーターや藤子不二雄さんなど多くの漫画家に影響を与えた人。