昭和のNHKのスポーツキャスター

近、NHKの名アナウンサー羽佐間正雄さんを草野仁さんと息子さん裕さんの関係で御紹介していただき、元NHKの名アナウンサーの先輩のお話を拝聴。畏敬のNHKアナウンサーであった。そして、元NHKアナウンサーの本、音源を聞き出したら、蘇り、興奮。その武者ぶりに唖然。まるで、昔の西鉄ライオンズの選手のように昔のNHKの実況アナは豪快だ。
中でもあの、尾崎義之さんのあまり有名な本「志村正順ラジオ・デイズ」はその構成、取材がなんとも言いがたいほど見事である。この作者の尾崎さん、週刊新潮の名文「墓碑銘」なども担当した人。納得である。
「・・・かくして学徒部隊は征く。さらば征け、征きて敵米英を撃て。征き征きて勝利の日まで大勝をめざし戦いぬけと念じ、はなむけといたしましてここに外苑競技場の学徒出陣壮行会の中放送を終わり .」という学徒出陣壮行会の名実況。この実況は実は先輩アナ和田信賢がやるはずだったが、二日酔いで後輩の志村に任せたという。志村は何も用意してなかった。いわゆる、アドリブである。しかし、当時のNHKアナウンサーは漢詩などの勉強もしており、美辞麗句の素養が頭にぎっしり詰まっていた。
司馬遼太郎さんの「人間の集団について」。こんな本が出ていたとは!ベトナム戦争を通してベトナム人気質を研究している本。あれだけ、べトコンが粘ったのは、元々、ベトナム人は手先が器用で銃の使い方がうまいこと。カムラン湾にはロシアのバルチック艦隊が補給のため、実は過去に来ていたり、フランスに統治されたり、ベトナム人がどんな思いをしてきたのか?
この書で発見がある。「ラマン」の小説的エキゾチックなベトナムが今、単なるリゾート地として脚光を浴びている姿しか、若いおねえちゃんらは興味ないんだろうな。ナパーム弾が飛び交ったんだから、あそこは