歌は世につれは両面がある

 お断りしておきますが、僕はスガシカオさんはミュージシャンとして、大変、かっています。
 ただ、今回の「午後のパレード」という新曲。
 これは山下達郎さんの「パレード」のモチーフとあまりに類似しているのではと思いました。
 達郎さんの「パレード」を聞いたのは確かロフトだと思いますが、1970年代中期。シュガーベイブの頃です
 こんな時代にまるでアメリカの日常生活のようなぶっ飛んでポップな設定の歌。これまた、テレもせず歌いきる度胸、もちろん、楽曲の良さは言うまでもありません。
 達郎さんもまだ売れてなくてビンボーでしたが、この歌を歌ってる達郎さんは水前寺清子の歌「ぼろは着てても心は錦」でした。そして、僕も三畳一間のビンボーくんでしたのでどれだけこの曲でハッピーになれたか。現実逃避です。まるでロシア文学どん底」のような住居でした(笑)
 なんたって、南こうせつさんの「神田川」が大ヒットしている時期です。まだまだ、ちょっとビンボーな日本がありました。あの歌はあの歌で僕は決して嫌いじゃないのです。あの舞台になった神田川周辺に住んでましたし、三畳一間小さな下宿はまんまリアル体験してました。しかし、同時期にこんなハッピーな曲が想像されているというのも興味深い。歌は時代をまっすぐ描くか、そこから飛び出そうとするのか?それは作り手によるわけです
 1973年がだって、ユーミンさんのデビューですから。「新感覚派」というキャッチフレーズでアンチ四畳半フォークがユーミンさんの立場でした。僕はその四畳半より狭いところに住んでいたわけですが(笑)しかし、彼女の世界は待ちわびていた世界で達郎さんと共に僕を「明るい光の世界」(笑)へ誘ってくださいました
 「歌は世につれ・・・・」というのは両面があるということなのです。
 「パレード」は日本で言えば「盆踊り」という歌に匹敵する歌ですから、良くぞ、歌ってくれたと、アメリカンポップス好きの僕としてはとても感動したものです
 ナイガラトライアングルというアルバムに後に「パレード」は入れられます。
また、フジテレビ系列の番組の主題曲になりヒットします。
 作詞家達郎さんの真骨頂がこの「パレード」もひとつです