宇能鴻一郎さんが80歳目前に反大衆文学に挑戦

官能小説家の大家宇能鴻一郎さん。ある世代にとっては敏感に反応する作家名である。
 宇野さんは、東京大学在学中に短篇『光の飢え』が『文学界』に転載され、芥川賞候補作となり、翌昭和37年、『鯨神』で第46回芥川賞受賞したことは意外と知られていない。
 大衆文学を突き進んで来た宇野さんが、80歳直前の今年、

。それが今年、2月発売されたばかりの「夢十夜 双面神ヤヌスの谷崎・三島変化」
 ちなみに官能小説の御三家の他の二人は富島健夫さんと川上宗薫さん。富島さんは「喪家の狗」が芥川賞の候補に、川上さんは芥川賞候補に5回挙がったが受賞を逸した。官能小説という娯楽小説?の御三家が元は全員芥川賞候補になり、何故か直木賞候補作家ではなかった所が文学史的におもしろい所ではないだろうか。