メリークリスマス&青春アミーゴ

音楽著作権協会の小冊子を読んでいて、2006年度に分配額が多かった
外国作品の5位にルイアームストロングの「「この素晴らしき世界(What a Wonderful World)」が入っていて、この曲、常連なんです
もちろん、名曲。
そして、第二位がなんと歌謡曲の名作「青春アミーゴ
この曲、日本の元cannaのメンバー周水さんとストックホルムの外国人ライターとの共作だったのです
馬飼野康二さんが以前から 別名, Mark Davis Jimmy Johnson.で、ジャニーズの曲を書いたりしていたのは知っておりましたが、この「青春アミーゴ」が
ストックホルムのライターが書いていたとは!
確かに、北欧ってエレキギター時代から、ちょっと歌謡曲っぽい曲ってありました。日本と情緒でどのように通底しているのか、不思議です
で、以下が、その詳しい話です

――「青春アミーゴ」を共作したチームについて教えてください。

周水】 その作家事務所はストックホルムに本部があるんですが、そのほかにもカールスタッドという学生街があって、今作を一緒に制作したフレデリックとオラとヨナスは、そこをベースに活動している作家です。普段であれば僕が向こうへ行ったり、彼らが日本に来て制作していますが、今回のやり取りは、時間がなかったので電話やメールで確認しあいながら作業を進めました。
 僕が作ったメロディーをあるチームに渡し、彼らがそのクオリティを高めてくれている間に、僕は別のチームと別の仕事をする。それが共作の一番のメリットだと思っています。一人で煮詰まって作る必要はないし、自分が一番大切にしているメロディーを表現できていれば、アレンジによっていろんなタイプの楽曲に変えられる楽しみがありますね。最初は手探りでしたけど、今ではそれぞれのチームの得意な部分がわかっているので、何かプレゼンのチャンスがあれば、今回はこのチームと作ってみよう、という感じで楽しんで制作をしています。

――今後も共作を続けていくのでしょうか。

周水】 僕はキャリアも年齢も国籍もまったく気にしないので、基本的には大勢のクリエイターと出会い、いろんな作品を一緒に楽しく共有したい。それで今回の「青春アミーゴ」ように良い結果が残せれば、皆でその幸せを共有しあえる喜びがあります。
 それもあるので、彼らと一緒に作った楽曲のプレゼンをしたりプロモーションする際は、日本にいる僕が皆の代表として窓口になり頑張らなければ、と思うんです。僕にとってはその責任が心地よくて、皆が作った曲を日本のマーケットに合わせた構成に変えたり、日本語詞を付けたり、さらに楽曲のクオリティを上げる作業をして頑張れるんですよ。

――これからの作家活動の中で目標としていることは何ですか。

周水】 今は制作意欲を掻き立てられる環境に恵まれているので、やはり、一人でも多くの人にアーティストやシンガーの方を通して、僕らが作る音楽を聴いてもらいたい、1曲でも多くの曲を世に出していきたいという気持ちがあります。今回のヒットがそのためのひとつのステップになれば嬉しいですね。



周水
Profile:
1976年1月30日生まれ、東京都出身。6歳の時からクラシックピアノを習い始め、幅広く音楽に親しむ。19歳でイギリスへ音楽留学すると同時に作詞・作曲活動を開始。帰国後、ボーカリスト谷中たかしと知り合い、cannaを結成する。1998年にbounce recordsより初のシングル「拝啓あなた様」をリリース。翌年SME社よりメジャーデビュー。シングル9枚、ミニアルバム2枚、フルアルバム2枚をリリースの後、2003年cannaの活動を休止。現在は、作家としてのみならず北欧のクリエイター達と新しい形態の楽曲制作を精力的に行っている。