南沙織さんと戦後

沖縄出身の南沙織さん(母は奄美大島と父はフィリピン人とのハーフ)が日本で大ヒットしたのは1971年に来日、6月1日に「17才」でデビューし、54万枚の大ヒットとなります。
沖縄返還(おきなわへんかん)は1972年(昭和47年)5月15日に沖縄の施政権がアメリカ合衆国から日本に返還されました。
つまり、南沙織さんは沖縄返還の前年にデビューだったのです。
このことは中森明夫さんの談で、知りました。
南さんの可憐さに内包されて、そんな大きな芸能史昭和史的意味合いがあることを当時の少年の僕には読み取れませんでした。
もちろん、中森明夫さんもそうだったでしょうが。
沖縄出身の歌手で昭和36年デビューし、エキゾチックな容姿に、ハスキーボイスで人気を集めた仲宗根美樹さんがすでにいたことは事実です。
紅白歌合戦は6回出場果たした歌手です。
しかし、仲宗根美樹さんはアイドルではありませんでした。
大人の寄りの歌手でした。
ハイサイおじさん」、「花〜すべての人の心に花を〜」という喜納昌吉&チャンプルーズも60年代にありましたが、メッセージ色が強い歌い手さんでした。
沖縄から誕生した南沙織さんがアイドルだったことが、
その1年後の沖縄返還という新風の前夜祭だったことは偶然の一致なのか?
安室奈美恵さん、SPEEDと沖縄はその後、アイドル誕生工場となっていくわけです。
って、ことで歌はアレキサンダーオニールのクリスマス向けソング。戦後問題も忘れたバブルの時期に流れていた曲であります