42歳の若さで「舟歌」を何故書けたのか?



阿久 悠さんが ご逝去なさいました。
僕は阿久 悠さんの所属していたオフィスツーワンという同じ事務所に長年、お世話に
なっていました。
僕が入ったときは芸能界でいえば天上人のような方で
話しかけていいものか?いつも逡巡しておりました
しかし、勇気を持って、何度か、僕の好きな阿久さんの作品に
ついて質問すると、いつも嫌がらないで、親切に答えてくださいました。
何しろ、「スター誕生」の強面のイメージがあったもので
物静かな声で答えてくださる語り口調には驚いたものです
2年前に阿久さんの企画をNHKに提出しましたが、実現しませんでした。
阿久 悠さんのことを理解できるようになったのはここ10年。
洋楽人間の自分が演歌も好きになってきたことから、阿久 悠さんに
演歌の凄さ、素晴らしさを教えてもらいました。
阿久さんが八代亜紀さんの「舟歌」を作詞したのが、42歳です。
42歳の若さでこの円熟した詞をなぜ書けるのか?
これは相当な年齢になって人生を達観しなければかけないであろう詞だと思います。
いまだに謎です

僕の阿久 悠さんのナンバーワンの曲はかまやつひろしさんが歌った
「青春挽歌」です。
たしか、作曲筒美恭平さん。
まったくヒットしなかった曲ですが、阿久さんが、あえて、七五調で書いた
、なつかしく浪漫な日本を感じさせる僕にとっては青春の名曲です。
この歌のことも生前、阿久さんに聞いたことがありました
「覚えてないなあ」と、お答えになりました。
5000曲もの作詞したお子さんがいると、一人ぐらい、覚えていない子もいるのでしょう(笑)
でも、僕にとって青春のかけがえのない名曲であると僕は思います。