新右翼「一水会」の名誉顧問鈴木邦男さんが亡くなった。新宿ロフトの楽屋で名刺交換させていただいたことがあった。にこにこして憎めない顔だった。・・・

 


新右翼
一水会」の名誉顧問鈴木邦男さんが亡くなった。

朝まで生テレビの常連コメンテーターだった。

鈴木邦男さんは1943年生まれ。

 2023年1月11日79歳で亡くなっていた。

新宿ロフトの楽屋で名刺交換させていただいたことがあった。にこにこして憎めない顔だった。

気が付くと79歳没。

鈴木さんの忘れられない書があり、時々、見返すのだが、「本と映画と「70年」を語ろう」(朝日新書)という新書。

産経新聞社に勤めていた鈴木さん(防衛庁抗議事件で逮捕されクビになる)と新左翼取材で逮捕経験のある元朝日新聞社に勤めていた1944年生まれの川本三郎さんが一見対立する思想の壁を乗り越えて対談している本。

当時の学生運動との関わりをかなり赤裸々にお二人は話しておられる。

この対談を希望してきたのは鈴木邦男さんだった。

この対談の中で二人が全共闘運動の学生たちに対して放った言葉が僕の共感を呼んだ。

「あの頃、学生だって特権階級ですよ。大学に進学できたのは全体の3割くらいでしょうか」(鈴木)

「男子学生の場合、二割、5人に一人くらいじゃないですか」(川本)

「僕の小学校は秋田の田舎だったから大学に進学したのは一クラス40人くらいの中でも一人か二人だったと思います」(鈴木)

「2007年問題が議論された時、団塊世代全共闘世代が重ねて語られたけれど、データー的に間違いだと言われますね。団塊の世代で大学に進学したのは5人に1人で5人に4人は大学に行っていないのに全共闘世代と一緒にするなと」(川本)

「・・・大学生が特権階級だから間違いということではなくて、そういうところでしか、問題意識を持てないということもあると思うのです。ロシア革命だって、フランス革命だって、最初に問題意識を持ったのは貴族階級です・・・」(鈴木)

ちなみに単なる一市民だったボクは70年代前半に対立する学生運動同士の抗争に巻き込まれ、石を頭にぶつけられ、ケガをしたことがあった。

その痛みは今でも覚えている。

また、鈴木さんはこうも言った。

「市民まで殺してしまう運動は革命ではない」(鈴木)