60年代の学生運動のこと調べていて、「青春の墓標―ある学生活動家の愛と死 (1965年)」を図書館から取り寄せて、読んだ。
新左翼グループ「中核派」に所属する21歳の青年が自ら命を絶った。奥浩平。横浜市立大学文理学部の二年生。
奥が生前に記していたノートや手紙をまとめた遺稿集は、その年の秋、文藝春秋から『青春の墓標 ある学生活動家の愛と死』として出版され、ベストセラーになった。
この本は奥浩平の兄がまとめたものである。
奥浩平氏は党派を違えて自ら命をたった意中の彼女への母親へ、執拗に浪人中に手紙を送る。
学生運動版ロミオとジュリエットと言われた『青春の墓標 ある学生活動家の愛と死』。
つかこうへいはこの本にシンパシーを感じ、その後、「初級革命講座 飛龍伝」にて、女学生運動の騎士と機動隊員の男に設定を変え、ロミオとジュリエットの物語に仕立て上げたのだと思う。
『青春の墓標 ある学生活動家の愛と死』は1971年新潮社の女子大生の愛と死のノート「二十歳の原点 高野悦子/著」大ベストセラーの起点になっているようだ。
60年代、70年代の一部の若者たちは困り果てるほどに実直過ぎたのかもしれない。