伊豆の踊り子とスペイン風邪

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川端康成の「伊豆の踊子」を中学一年以来、再読。 最初、読んだ時、気づかなかった意外なことに今回、気づいた。 小説の中、踊り子がいる旅芸人たちと旅を同行する主役の一高の学生がいる。 学生は下田から東京へ婆さんを連れて行ってくれと、男に頼まれる。 その婆さんは今度の流行性感冒で伜や嫁を亡くしたという。 今度の流行性感冒には(注)がついていて、「スペイン風邪・大正風邪と呼ばれた有名なもので、大正7年の秋から世界的に流行し、大正8年冬には日本全国で患者150万人、死者15万人を出した」と、後方の頁に書かれていた。(新潮文庫調べ) 近代医学が進歩した現代ではさすがにこうはならないであろうが、今から100年近く前にもやはり感染病で日本人はつらい目にあっているわけだ。