2月3日豊崎由美・大森望コンビの「文学賞メッタ斬り」2008年度版のトークショーに、大雪の日に紀伊国屋ホールに行く。
こんな日に来る人、「本当にあんたも活字が好きねえ」と言いたくなる(笑)
芥川賞作家長嶋有さんと直木賞作家の石田衣良さんのお2人がゲスト。
ゲストがこのお二人ということもあるが、客層は大学生くらいで、かなり若い。活字離れの若者と言われているが、この光景を見ると、本当にそうなのかなあと、疑ってしまう。あくまでイメージですが、平原綾香さんのライブでも鑑賞に来ていそうなちょっと おとなしめのお客さん。
「芥川賞もらったときに村上龍が挨拶してくれることになったが、村上龍の本を一冊も読んでなかった」、「大江健三郎賞をもらったときも大江さんの本を一冊も読んでなかった」と長嶋さん。少年のように無防備で率直な長嶋さん。そして、生(なま)石田衣良さんが登場。サロン的雰囲気が急に漂い、直木賞のメジャー感がどっと会場に押し寄せる。昭和30年代、40年代、50年代は芥川賞の方が直木賞より、メージャー感があったような気がする。
林真理子さん以降、この両賞の位置づけが入れかわったような気がする。
石田さんは、出演者の中では「ボケ的」ないじられキャラの位置づけで、この方の「人の良さ」を会場の方は感じたのではないのだろうか。
帰りに紀伊国屋書店の書棚をのぞく、う〜〜ん、さすが、老舗の力。ひと味、その辺の書店とは違う本の並べ方。
並べ方に主張がある。
きちんと、店員さんが本を読んでいる本屋さんである
本を読んでない本屋さん、レコードを聞いてないCDショップ店員さんが本当に多い。
昭和40年代に函館の田舎の小さな本屋で、ボクは「三田文学」の同人誌を取り寄せていたが、そんな同人誌の話しができる店員さんが町の片隅にいた。奇跡みたいな話しである。
僕も都会にいるより、本の絶対量が乏しい田舎の方が「活字欲し力」が膨大であった。故郷は遠くにありてと、同じように、活字も遠きにありて思うものなりや。