sugarbabeという原石を発見

 川を上っていくと、源泉に辿り着きます。
一人の人間の歴史を紐解き、その源泉にたどり着くと、発見があり、
秘密が解けます
昨夜も驚きました。
最近、連絡を頻繁に取り合っている映画配給会社代表取締役社長兼CEO 唯敷和彦 さん。
昨夜、彼とその部下の皆さんと飲みに行きました。
唯敷和彦 さんの配給する映画がどうして、僕のツボを射るのか?
ミリオンダラー・ベイビー
2006.4.1
「クラッシュ」
第78回アカデミー賞作品賞含む主要3部門受賞他、海外映画賞90部門ノミネート29部門受賞!
ヒストリー・オブ・バイオレンス」海外主要映画賞受賞!

「ゲーム」デビットフインチャーなどなど

また、これから、公開する「リトル・チルドレン」→(アカデミー賞で主演女優賞(ケイト・ウィンスレット)、助演男優賞ジャッキー・アール・ヘイリー)、脚色賞(トッド・フィールド、トム・ペロッタ)の三部門にノミネートされている傑作トラジコメディ(悲喜劇)

 偉そうなことをいうようですが、僕が配給するとしたら、唯敷さんと同じ映画を配給すると思います。
 これは感性の源流が同一だからです
 唯式さんの歴史を少しだけ紐解いたら、大学の音楽サークルで、sugarbabeのコピーをしていたというのです。
 彼と同じ歳の僕も、当時、sugarbabeと同じような趣向の音楽作りをしていて山下達郎さん率いるsugarbabeの出現に狂喜乱舞、これまた、偉そうですが、「音楽の友」がこんなところにいたとシンパシーを感じたものでした。ちなみに山下さんは昭和28年産まれの僕らより一歳上。
 昭和20年代以降の30年代前半の世代はアメリカンポップカルチャー、フランス、イタリアカルチャーの申し子であります。今の100倍くらい、世の中にそれらの文化が蔓延していました。
 この洗礼を受けた子供の一人が唯式さんであります。中でも、当時から、sugarbabeに傾倒する当たりの感性が相当なPOP感覚の持ち主だと思います。今でこそ、sugarbabeは有名な伝説のグループでしたが、あの頃は新宿厚生年金小ホールを埋めるのがせいぜい。(僕も嬉々として行きましたが。)
当時、sugarbabeをコピーしている音楽サークルってほとんどなかったです。
僕が大学の音楽サークルに入ってすぐ、達郎さんもコピーしていたビーチボーイズの「 ユア サマー ドリーム」をカバーしたら、ブーイング。即、こいつら素人だと思い、落語研究会に入部。
メージャーセブンスを使う音楽は軟弱というロック、ブルース至上主義が蔓延していた時期。つまり、大半の若者の音楽はファンはファッションとして音楽を嗜好していたのは今とあまり変わりないです。
 自分の臭覚を信じて音楽を聴くのではなく、情報に振り回されていました。
そんな時代に自分の臭覚を信じて音楽に純粋にアプローチする若者はほとんどいませんでした。原石だけで判断する臭覚の持ち主はほぼいませんでした。少し、傲慢ないい方ですが。
 唯式さんの源流を辿ると、sugarbabeというPOPグループという、当時、世間ではわき道を歩いていたグループですが、磨く前のダイアモンドの原石。大メージャー(単に有名になるという意味ではなく)の要素を持っているグループに心が振れていたわけです。
唯式さんのこのあたりの臭覚が件の一連の映画を選ぶ原点になっている気がします。

音楽好きが高じて、唯式さんは「イン・ベッド・ウィズ・マドンナ」、「ラストワルツ」(劇場公開権)、マイケルジャクソンもの、・・・と、これまた、僕のツボを刺激する映画を配給しています。
ちなみに現在公開中の「今宵、フィッツジェラルド劇場で」もそうです。
監督:ロバート・アルトマン
出演:ウディ・ハレルソントミー・リー・ジョーンズケヴィン・クラインリンジー・ローハンヴァージニア・マドセンメリル・ストリープ/ギャリソン・キーラー
製作年: 2006年
製作国: アメリ
配給: ムービーアイ エンタテインメント

ミネソタ州セントポールフィッツジェラルド劇場で、長年親しまれてきたラジオショウ「プレイリー・ホーム・コンパニオン」の、最後の公開生放送が始まろうとしていた。私立探偵を気取った用心棒ノワール、名司会者キーラー、カントリーシンガーのヨランダとロンダのジョンソン姉妹、カウボーイソングデュオのダスティとレフティらが、次々と楽屋入りする。やがてショウが始まり、白いトレンチコートの美女が現れる……。
実際に現在も放送されているラジオ番組「プレイリー・ホーム・コンパニオン」の舞台裏の人間模様を描く。本物の番組で30年以上にわたり司会を務め、作家でもあるギャリソン・キーラーが原案・脚本を手がけ、本人役で出演も果たしている。姉妹デュオに扮したメリル・ストリープとリリー・トムリン、ストリープの娘役のリンジー・ローハン、猥歌を歌うデュオを演じたウディ・ハレルソンとジョン・C・ライリーなど、豪華なキャスト陣が見事な歌声を披露しているのも見どころ。本作は、名匠ロバート・アルトマンの遺作となったが、老齢のアルトマンを監督代行として支えたポール・トーマス・アンダーソンは、名実ともにアルトマンの後継者となった。

銀座テアトルシネマ、Bunkamuraル・シネマほか全国にて

唯式さんは昨日もそうでしたが、公開する映画の粗筋を僕に語るとき、涙目になっていました。この思い入れ。経営者でありながら、映画という文化を感情として相手に伝えようとしている、いや、伝えてしまっている。大切なことだと思います。
優れた経営者はクールである前に感情的な部分も持ち合わせていないと、相手の心は動かせません。
こちらも調子に乗って、唯式さんの会社で秋公開の間違いなく話題になるフランス映画の宣伝展開を、まるで、トランス状態で、岡本太郎のように、30分くらい一方的に機関銃のようにしゃべりまくってしまいました。
その間、部下の加瀬、松尾両氏に焼き物のネタをひっくり返していただいて、申し訳ないことをしてしまいました。