濃度100%九州男児くりぃむしちゅーの上田

 
くりいうむしちゅ-の上田と二人で昨夜、痛飲。
道産子の僕は不思議と九州男児と昔から、気が合う。
広くは関西以西の男子と気があう。で、中でも九州男児である。
最初に上京して、三畳一間のうなぎの寝床みたいな下宿した時も、一日中パジャマスタイルでいた二歳年上の下宿人の早稲田商学部の西村さん(熊本出身)と意気投合。随分と可愛がっていただたいだ。今、どうしていっらしゃるのか?お会いしたい。九州、北海道という分かりやすい対照的な位置関係が、逆に引力を増すのかとにかく気があう。
道産子とは別の「豪快さ」が九州男児にはある。
さて、昨夜のテーマのひとつが、芸人は「破綻している芸人」に憧れるということ。
たけしさんが何故、立川談志に憧れるのか?まじめな爆笑問題の太田が何故、立川談志さんに憧れるか?
「破綻している」からである
 ○その昔、談志さんは何度も、師匠 柳家小さんを怒らせてしまうことをする。時には 師匠を批判するようなことをマスコミに対して、話す。しかし、ついに1978年の三遊亭圓生三遊派落語協会脱退。落語協会の真打昇進試験制度の運用を巡って落語協会会長であり、自分の師匠でもある、小さんと対立、1983年に落語協会を離脱して落語立川流を創設し、その家元となる。
師匠小さんはその弟子談志さんのことを怒らず、困った愛息子のことを話すようにマスコミに話す。そんな不思議な公開親子喧嘩みたいなことがあった。
政界にも進出。三木内閣時代の1975年12月には沖縄開発庁政務次官に就任するが、就任時の会見で議員の選挙資金について「子供の面倒を親分が見るのは当然」と発言したことが問題化。さらに政務次官初仕事である沖縄海洋博視察では二日酔いのまま喧嘩腰で記者会見に臨み、記者の「あなたは公務と酒とどちらが大切なんだ」との質問に「酒に決まってんだろ」とあまりに正直過ぎた返答をしてさらに問題となる。

「どんなに破綻しても」を愛らしくお客さんや芸人、スタッフが見つめていてくれる。
 ダメな自分も含めて、相手が好きでいてくれる。
 これは究極なる恋愛関係に似ている。
 その関係を築けたら、芸人としてはこれ以上の「至福」ない。
 よく、例として、出される話であるが、故古今亭志ん生は後年、老体でほとんどしゃべられなくなり、講座の座布団の上で寝てしまったり、ひっくり返って起こされて、また落語を続けて、拍手喝采を受けたという。
 すわっているだけで客は拝みたい気持ちにさせてくれる芸人さんだったわけだ。
客は「ありがたい」気がするわけである。
 僕自身、本物の故古今亭志ん生を見たことがないが、NHKのアーカイブ映像を見ると、「朽ち果てた木製の仏像」のようで「ありがたい」気がしてくる。
 ご自宅にうかがって生で、お話した故三遊亭円生さん、二つ目の頃の春風亭小朝さん、今更ながら、最近になってのめりこんで入る古今亭志ん朝さん。彼らは石製の仏像に見えた。
上田は一般的には常識人に見える。特に有田のような自由な芸人がいるとなお、そう見えてしまう。
しかし、昨日の最大の結論は意外にも上田は「いい意味で、充分、人間として破綻している」ということである。
上田は長年、付き合った彼女の結婚した。これは一見、美談になっているが、冷静に考えると、なんと彼女を14年近く待たせて結婚したのだ。「待たせ、過ぎだろが!」(笑)と思いきっり、突っ込んでやった。フツーなら形だけでも籍を入れるべ!(笑)
 その次に言った上田の言葉がおかしい!
「そうか、オレってとっくに破綻してんだ。さっきから、聞いていた植竹さんの言葉、大事なので、今から、家に帰って嫁を叩き起こして、聞かせてあげますよ」(と、真顔でいう)
「今、何時だと思ってんだよ、夜中の1時半だよ!叩き起こすか!それが破綻しているっちゅうの(笑)」
「いや、こういうことは、すぐ嫁に言わないと、明日じゃダメなんですよ」(と、僕の言ったことを携帯電話にメモする)
「お前、桂春談志か!坂口安吾か!嫁さん、起こすな!九州男児まるだしか!」
「いえ、こういうことはすぐ聞かせない“(笑)おいしいスープは冷めないうちに、こういうことは」と、あくまで真顔の上田(笑)
こんな言い合いを3分近くもやっている俺達
上田は自分が破綻していると、初めて他人にいわれたという。
なんか、その新事実発覚?が、とても、うれしそうな上田だった。ホント、おかしい奴だ、この九州男児が(笑)