シャーウッド・アンダーソンの「ワインズバーグ・オハイオ」

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シャーウッド・アンダーソンの「ワインズバーグ・オハイオ」上岡 伸雄さんによる40年ぶりの翻訳を取り寄せて再読。
ボクが川端康成の「伊豆の踊り子」と共に、きちんと小説として意識して読んだアメリカ文学
ニューヨークでも、ロスアンゼルスでもない。
オハイオ州のワインズバーグという架空の町を舞台にした22編の短編集。中学生一年の時、この中の「手」という小説をNHKのラジオドラマで聞き、衝撃を受けた。
どんより曇ったような、やるせない田舎の舞台がいびつな登場人物たちがうごめいている。
「手」は同性愛を扱っている作品。
訳者の上岡 伸雄さんもあとがきに書いてあるが、20世紀前半のアメリカの田舎は神の力が絶対の時代。
そんな時代に、神と対峙するような性がテーマが散りばめられているこの作品集は衝撃だったはず。
平成30年に出版されたこの新刊の表紙の絵もなつかしいアメリカを彷彿とさせ、味があり 素晴らしい。
この小説を読んでいると真っ暗の中、蒲団をかぶってトランジスターラジオでラジオドラマを聴いていた13歳の頃の光景が蘇ってきた。