孤独な敵と味方

 シャーロック・ホームズを読むのが、最近、日課で、読後、ストレッチのあとのように、気分がいい。いい文章を読むことは自分の体内が清浄化されるような気になります。
 そして、シャーロック・ホームズの頭の尋常ではない良さに感服。自分はなんてバカなんだろうと思います。
 作者コナン・ドイルの文章は決して無駄な馬力を上げない駿馬のような文章。
 阿部知二さんの訳がそれには、大きく貢献しているようで、その美しい日本語がとても、翻訳とは思えない
 特定の作家の作品を全部、読み終わるのがもったいないという感覚に久々に教われました。
 名探偵はみんな独身であると、作家関川夏央さんが書いておられました。
探偵という危険な職業は独身ではないと、家族が危険にさらされ、やっかいでなのでしょう。(昨今の強い、過激な思想家も独身の人が多いのも同じ理由かもしれません。)
 シャーロック・ホームズももちろん、独身。それと対抗する悪の天才・モリアーティ博士も家族を持っていません。敵味方に分かれても、二人とも、一歩下がれば、互いに「孤独を共有」していることが、ジーンの来るのはボクだけでしょうか。
※写真は最近、友人に頼み込んで、撮ってきてもらったロンドンのシャーロック・ホームズミュージアウム内の写真です