松本清張傑作選 戦い続けた男の素顔―宮部みゆきオリジナルセレクション―

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宮部みゆきさんはあとがきに、作家には自分の過去を作品に押し出す作家と、過去を封印する作家がいると書いてあり、松本清張は「半生の記」のような作品をのぞいて、後者の作家だという。
ボクもその意見には賛成である。
年末年始にかけて、松本清張三昧の読書生活。
中でも、「松本清張傑作選 戦い続けた男の素顔―宮部みゆきオリジナルセレクション―」は松本清張の暗い生い立ちを反映させた作品ばかりの短編集。
大人になった主人公は訪れたことがない人里離れた父の故郷を訪ね、それまで知らなかった父の半生の秘密を知っていくという作品ばかりで胸がつまる。(複数、このような主題の作品ばかりが並んでいる不思議な短編集)
このような作品に惹かれる自分の根の暗さを今更ながら、確認するのである。