90回不規則な間隔での尋問した調書は3564枚。
アヴネール・レスと一対一の尋問の記録である。
90回不規則な間隔はアイヒマンとあった第一印象は想像したようなモンスターではない、痩せた平凡男であったことにおどろく。
この二人のやりとりは本を読む限り淡々したものであった。
とにかく、残虐行為は命令に従っただけで自分の意思ではない(「小さな歯車」とアイヒマンは例えた)と一点張りの受け答え。
アイヒマンの発言内容に加えて、犯罪歴もない一市民が時代の変化、暴力支配、指導者たる総統に魅了され、いかに非人間化した人物になりえるかを問うている著書。
※ちなみに翻訳の小俣 和一郎 さんは精神科医
アイヒマンの生い立ちから始まり、ドラマチックな展開のない調書3564枚分の文庫本を読み終えるのはさすがに疲れた