老人の連休の密やかな安らぎ

頭が禿げた眼鏡をかけた初老の小柄な老人が時代小説の佐伯泰英の文庫本を

ボクと横並びで立ち読みしていました。

老人の携帯が鳴り、あわてて出る。耳が遠いのだろう 大声で

「・・・あと、30分くらいしたら そう30分 帰るから 30分だって!え?30分だってば たまねぎともやし? ペプシの大きいヤツ?米5キロ?無理だよ 持てないよ 持てないってば お金ないし いいよ もう 切るよ 切る 切るったら」

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は家人の電話で一たまりもなく消え去った。

読書をあきらめ、静々と本屋を老人は後にした