東京オリンピックの工事関係死亡者

件の新国立競技場騒ぎ。
スーパーのレジ打ちで1円計算間違いをしただけで、何度も計算し直す一般市民の感覚とあまりにかけ離れている。かの国だと暴動が起きても仕方ないような建設費の計算違い。事が、一円、2円ではなく、何千億の話だから、ますます、専門家以外はわからない。責任者がいないなんてことがありえない。責任を取らなくていい構造に最初からシステムが出来上がっているとしか思えない。
 古本屋で買った「ずばり東京」という昭和52年の開高健さんの随筆にも、昭和39年の東京オリンピックの狂乱ぶりが書かれていて、当時、東京には下水道が2割ぐらいしかないのに、高速道路とモノレールがある矛盾や、東京オリンピック関係の工事で死亡した人が、高層ビル(競技場、ホテルなど)16人、地下鉄工事16人、高速道路55人、モノレール5人、東海道新幹線211人計303人(編集者が労災関係の役所で調べた)という多くの犠牲者の記述が印象的。
 「東京は日本ではないと外人にいわれるたびに、いや、東京こそ、まぎれもなく日本なのであると答えることにしている」とも開高さんは言っている。