「割烹旅館で働く31歳の成沢民子は、脳軟化症で回復の見込みのない夫・寛次に縛られた暮しを若さの空費と考えていた。
彼女は赤坂のホテル支配人・小滝にそそのかされ夫を焼殺し、行方を絶つ。
直感で民子を疑った刑事・久恒はその行方を追ううち、民子への欲望をつのらせ、政財界の黒幕・鬼頭の女になっていることを突き止める。
人倫の道を踏み外したものがたどる〈けものみち〉とは。」(Googleより)
政界と警察機構とヤクザとその黒幕が組んずほぐれつの殺人事件が起きる。
この小説あたりからなのか?清張は権力に満ちた社会的事件を暴く小説やノンフィクションを書くようになったのは?
小説は途中から、谷崎潤一郎の『瘋癲老人日記』、「鍵」などの作品のような老人と若い女とのエロティシズム世界が展開され、清張には珍しくダレ場が長く続いた。