戦争広告代理店

今月号の「新潮45」を読了。
 紛争解決請負人という仕事があるのは知っていたが、戦争広告代理店という仕事があることに驚嘆。
『ドキュメント


 情報操作とボスニア紛争』(二〇〇二年講談社刊)で新潮ドキュメント賞講談社ノンフィクション賞を受賞したNHKの高木 徹さんと戦争広告代理店、米国きっての国際PRエキスパート、ジム・ハーフ氏との対談を読んだ
 ボスニア紛争において、戦争広告代理店のジム・ハーフ氏はクラィアントの「ムスリム人勢力」が、国際世論の強い支援を受けることに成功させた。
 セルビア人の行為を「民族浄化(ethnic cleansing)」(ナチスが使用した言葉)であると決め打って、ミロシェビッチ率いるユーゴスラビア連邦に悪のレッテルを貼ったのは何を隠そう、ジム・ハーフ氏のアメリカのPR会社の暗躍があったからという。
 また、クライアントのリーダーにはスピーチの内容をコーチングしたりもする。
 一体、いつから、こんな職業が堂々とまかり通り裏で世情が操られているのか?何か寒気がする 実は世界を動かしているのは政治家ではなく、それにまつわりつく民間会社なのではないのだろうか?