本はジャケ買い

今月26日、太宰治「斜陽」の舞台、「雄山荘」が全焼。太宰は47年2月、雄山荘を訪ねて数日間滞在。同年中に「斜陽」を書き上げた。
 最近、太宰治の「人間失格」の文庫本がデスノートの漫画家さんが書いて、売り上げに貢献したという。僕は以前の表紙が好きで、僕はデスノートは好きだが、小説の中身と新しい方の小畑健さんの文庫の表紙のイメージがかなり乖離している気がしていると思う。しかし、手に取って、中身を読んでみると、字が大きくて、年寄にはこっちの方が読み易いのだ。
 漱石の「坊ちゃん」も『ハートカクテル』のわたせせいぞうさんのイラストになっていた。子供の頃、読書感想文を書いた頃の格子柄の表紙の文庫と比べて、なんか、ピンと来ない。しかし、もしかして、これで売れているのかもしれない。
 CDのジャケ買い衝動があるように、本もジャケ買い衝動があると思う。
本の表紙の良し悪しが売り上げに大きく貢献するわけだ。しかし、いまだ、
本のイラスト、写真、装丁は印税契約でなく、買い取りが常識になっているという。確かにたくさん時間を費やした作家の人には報いるべきであるが、作家の書いた小説がつまらなくても、ジャケ買いで売れている本って結構あるのではないだろうか。