週刊新潮と横光利一

週刊新潮もこのところ、週刊文春に負けじと頑張っておられる。
一点だけ、引っかかるのが、それぞれの文章の出だしのつかみの比喩が時代がかっていることであります
例えば今週号の「豊洲のパンドラ」という特集の冒頭が横光利一の著「上海」の内容になぞったりしています。

横光利一新感覚派の騎手としてその昔、文学界では名を成した作家ですが、同じ新感覚派でも川端康成
メージャーな作品を例にとるならまだしも、(それでも古すぎるか)横光利一を出してわかる読者がどれほど
いるかであります。
10年ほど前までテレビの報道の世界でも、中国の三国志とかを当時の政界になぞらえて、VTRを作ったりしていました。
報道の体質が、作り手のオヤジ教養主義の自己満足としか思えない作り方だったのは僕も関わった一人として、自己反省すべき点だったと思います。