連日、水害の様子がニュースで流される。
つくづく、川の近くに建てられた家の危険性を思うのである。
条件反射のように思い出すのは山田太一ファンのボクにとっては山田さんが脚本を書いた「岸辺のアルバム」という1977年のTBSのドラマである。
このドラマは1974年の多摩川水害が背景にある。多摩川の堤防が決壊して19棟の家屋が崩壊・流出したが、家を失ったことのほかに家族のアルバムを失ったことが大変ショックであったという被災者の話を山田太一さんがが聞き、作品の構想が生まれた。
原作小説は山田さんの新聞連載であった。
確かオープニングのタイトルシーンは家が流される実際の報道映像が使用されている。
また、山田さんが実際に被害者に家が流される寸前、何をしたかを取材して胸がつまるような行動をとった父親がいた。
父親は家に飛び込んで、一升瓶のお酒を部屋中にまいて家に別れを告げたという。
彼にとっては、その家は単なる建物ではなかったのであろう。
ドラマはジャニスイアンのテーマ曲「Will You Dance?」の選曲の良さも印象的であった。
天才少女と謳われた彼女も71歳である。