昭和29年生まれの天才芸人と至福の長電話

9月に鶴太郎さんに講演会をやっていただくので午後に電話したら、料理を作っておられた。菜食主義で朝一食主義なので土日、一週間分の作り置きをするという。まめな方である。そして最近気に入っている講談師や噺家さんについての芸談を30分ばかり。また、志の輔さんと
鶴太郎さんがためしてガッテンの雑誌の対談をした話など。
電話を切ると、風の噂か今度は志の輔さんから電話が。先日おやりになった下北沢劇場の牡丹灯籠の噺に。何しろ、円朝作の牡丹灯籠を全部やったら30時間かかる噺を3時間にする作業と言ったら推して知るべし。
植竹公和さんもお暇な時に円朝全集の牡丹灯籠をお読みになったくださいと言われたが、半端な分量ではない。
岩波文庫から牡丹灯籠が出ているが、
文語体なので理解するのが難しいそうだ。口語体のを読むのを薦められる。
何しろ、牡丹灯籠は噺家でもなかなかやり手がいないので(歌丸さんはCDを出していますが)勝手に使命感をもってやっておられるとのこと。
先日の志の輔さんの牡丹灯籠は
一部では登場人物の関係図を一席スタンダップで、落語の地噺をする完成度で時間をかけて解説したアイデアにはびっくりした。
牡丹灯籠を登場人物が多いアガサクリスティのオリエント急行殺人事件推理小説のような捉え方で解説したわけだ
そして、二部の落語の本編に行くという構成は見事だった。
志の輔さんなら、円朝鰍沢が向いているからやってくださいとリクエストしたら、すでに鰍沢という場所で夏におやりになったことがあるそうだ。ボクは圓生さんのを聴いている。
志の輔さんには今度、円朝作の乳房榎をやってほしいとリクエストすることにした。
ボクと同年齢の天才的な芸人さん二人と贅沢な芸談の日曜日の午後。
すでに二人合わせて電話時間は一時間を過ぎ、話し上手の二人にギャラを払ってもおかしくない至福の長電話だった。