松本隆さんの古事記 幸魂奇魂 鑑賞レポート

紀尾井町ホール。
作詞家松本隆さんの全編作詞による和楽と語りのコンサート「幸魂奇魂

(さきみたまくしみたま)」(プロデュース 作曲 藤舎貴生)の鑑賞に行って参りました
以前、この場所で鑑賞したのはピアニスト辻井伸行さんのコンサート以来。
都会に荘厳な教会があるような佇まいの立派なコンサート会場。
松本さんに用意したいただいた席が、ど真ん中の絶好の位置。
和楽の本格的なコンサートだけに京都からのお客様も大勢、参戦。
会場が女性の美しい着物で、とても華やいで、京都弁が飛びかう中、まるで花畑にすわっているような気になりました。
20名以上の名うての邦楽の演奏者たちの演奏。
唄い手の歌詞は全て、あの「はっぴぃえんど」の松本隆さんの歌詞なのです
 松本さんが、日本の神話の古事記、それを口語体の「松本古事記」として歌詞と物語を綴ったのでした
 松本隆の和楽、まったく、これはミスマッチ企画でもなんでもなく、とうに、1970年代初期「はっぴぃえんど」のアルバムでは、「春よ来い」「氷雨月のスケッチ」「春らんまん」などなど、すでに古めかしい日本語を松本さんは操っておられるのは、はっぴぃえんどファンなら皆が知っていること。
 松本隆さんに、書けない詞というのは存在しないのではないか?と、演奏中、薄明かりの中で、パンフレットの歌詞カードを追いながら、思ったのです。難解な古事記の世界をわかり易く、簡潔に松本さん流に解釈しておられた。
 以前、松本さんとご一緒に、食事した時、「僕は眠れない日って今まで一日もないんですよ」と、日本一繊細な詞を書く人からは、想像できない発言で驚いたことがありました。そんな松本隆さんだから、古事記を前にして、たじろいだわけがない。
  そして、コンサート終了後、舞台のご挨拶で一礼した松本隆さん。
 改めて、その姿を見て、「松本さんって、もしかして、今までで、日本で一番、背の高い(デカい)作詞家もしれない?」と、作詞家として、「大きい、背が高い」という身体性と、松本さんの詞作と相関関係があるのではないか?と・・・勝手に自分自身に課題を与えつつ、楽屋で松本さんにご挨拶した後、会場を後にしたのでした。