プロ野球選手における眼下の敵 身内

元ヤクルトの宮本慎也選手が雑誌にプロ野球選手のある奥さんの現状が
書かれていて仰天した。
「時代は変わってしまったんだな、と改めて思った印象的な出来事がある。選手と奥さんとの関係だ。ある時、びっくりしたのだが、あるレギュラー級の選手はシーズン中、早朝に家族のゴミを出し、子供を散歩に連れて行き、家の掃除をしてから練習に来ていた。引っ越しをした時は、業者に任せることなく、ほとんど自分で荷造りをしたのだという。耳をうたがった。
「奥さんにとっては最高のダンナやな」と僕は声をかけた。お金を持って帰ってきて、家を建ててもらって、さらに家事までやってくれる。ただ、勘違いをしてもらうわけにはいかなかった。それを聞いたのは、チームが優勝争いをしている時だった。ナイターが終わったあとだと、家に帰って寝るのは深夜になるはずだ。体調を整えるためにも、睡眠だけはしっかり取ってもらわないといけなかった。
「頼むからゴミ出しは奥さんに任せて、昼までしっかり眠ってくれ」と僕は言った。彼は、「えっ」とびっくりした顔をしていた。だが、その選手のワンプレーで勝負が決まることもあるのだ。チームメイトやファンのためにも野球だけに集中してほしかった。野球ができるのは、せいぜい40歳くらいまで。それまでは優先順位を野球第一にしてもらわないといけない」
 プロ野球選手の奥さん=内助の功という構図はまだ、この世界だけは現存していたと思っていたのはこちらの固定観念だった。
 プロ野球選手って毎日、移動し、野球やっているだけでも過酷だと思っていましたが、輪にかけてこんな過酷さが待ち受けていたとは。
選手生命というが、これでは本当の命を落としかねない話。
  大リーグでは選手の奥さん教育が徹底している。日本も確かやっているはずだが、ゴミ棄てのことまでアドバイスしなければいけないとしたら、もはや喜劇だ。
 思わぬところに敵(本来味方なのであるはずが)がいた。
 多少のことで、球場でミスした選手に野次を飛ばすのは止めてください。
家庭内過労が原因かもしれないから。