片岡鶴太郎さんとお寺で座頭市クリスマスイヴ

 クリスマス・イヴに円覚寺佛日庵(北鎌倉)に長年の友人の片岡鶴太郎さんをお連れした。鶴太郎さんとは特に80年代(「オレたちひょうきん族」「鶴ちゃんのテレもんじゃ」「笑っていいともの妙なヤツのコーナー」「夕焼けニャンニャン」の頃)に座付き作家をやり、ネタを一緒に量産をしていたお笑いの戦友である。
 イヴにあえて、お寺さんに行くというのもオツナもんだと道すがら思った。
 「お寺さんにお二人で来る方が多かったんですが、震災後、お一人でいらっしゃる方がとても増えました」「女性が圧倒的に多いです」と高畠ご住職。そうか、そうなんだろうなあ。
 鶴太郎さんからは昼食を取りながら今年、五月に映画『手塚治虫ブッダ 赤い砂漠よ!美しく』の公開に合わせて仏陀の絵を書いた時の話を聞いた。鶴太郎さんが美術大学日本画の先生から教わったお釈迦さんを書く時の伝統的な決まり。例えば、意外と思われるかもしれないが、釈迦は墨で書いてはダメで朱線で書くのが正式なんだそうだ。話は、映画の話に飛び、勝新太郎監督の遺作の「座頭市」(1989年2月4日)監督:勝新太郎出演:勝新太郎緒形拳樋口可南子陣内孝則内田裕也片岡鶴太郎奥村雄大、ほか)に鶴太郎さんが出演した時のエピソード。渡された台本はA4サイズで4枚くらい。全部、勝新太郎監督は口立てで台詞を教えられた。「座頭市は目が不自由だから、聴覚が異様に発達する」ということから、座頭市の耳が音に反応して動く演出をしたそうだ。耳たぶを後ろから棒で押すというとても非近代的な映画手法。付き人の押す棒に勝さんは「いててて!」と悲鳴を上げていたそうだ

勝新太郎監督の遺作の「座頭市」(1989年2月4日)
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