わらの女

「爆撃で破壊された北の町ハンブルグ、34歳、身寄りもなく孤独な女性ヒルダガルデは、ある日億万長者花嫁募集の三行広告を見つけ、応募。億万長者はリッチモンド、ニースでその秘書アントン・コルフに面接、成功する・・・」

 カトリーヌアルレーの推理小説わらの女」だ

 小さい頃から、映画のタイトルだけは知っていたが、見たことがなかった。
今回、映画ではなく、古本屋で買った原作本を読んだ。完全犯罪の話。
爆撃されたドイツのハンブルグの町というのがひっかかった。ビートルズが売れる前にライブをやっていたことで記憶している町だ。
 おそらく、1943年ゴモラ作戦でドイツ人5万人死んだ、イギリスとアメリカの空爆のことだと思う。「ドイツのヒロシマ」(東京大空襲は10万人、ヒロシマは14万人だから、比喩が違うだろうと思うが)と後に言われた空爆らしい。家族を失った主人公ヒルダガルデがいろいろ、その地獄から一挙に逆転しようという話。想像力を膨らませていくと、光景が目に浮かんで来て、読み進んでいってしまった。
映画は少し内容が違うらしい
わらの女」って、ちょっとエロチックないいタイトルだと幼いながら思ったもんだ。意味がわかならかった。「操り人形」という意味らしい。
 また、ダスティホフマンの映画で「わらの犬」というサムペキンパーの映画もあったがこれも「わら」がついていていいタイトルだと思った。何故、わらがついているといいということは説明できないが(笑)原作がゴードン・M・ウィリアムス。こちらは原題のSTRAW DOGS(わらの犬たち)は、中国の思想家老子の語録の中からとった言葉で、超人間的存在である天から見れば、人間の行動は護身のために焼くわらの犬のようにちっぽけな存在にすぎないという意味と書いてあった。

 しかし、「わらの女」読み終わるのに3ヶ月もかかってしまった。大した長くない話なのに。いかんなあ