夜の仕事師の本

 随分前の本ですが、麗士さんというホスト王の本によると、女性客の情報を1分以内に得るのが、ホストの鉄則なんだそうだ。
 この本、女性研究本版の芥川龍之介の「数珠の言葉」。目から鱗のことがたくさん得られます。巷にあふれる奇麗ごとの恋愛指南本より、ずっと実用的と思われます?
 以前、民放の某氏から頼まれ、酒井あゆみさんという元風俗嬢のドキュメント作家を売り出すことを相談されたことがありました。現実化はしませんでしたが。
 この人のドキュメント作品も、女性とはいかなるものかという原質を知ることがたくさん書かれています。自分は女性ではないので、ここに書かれている事はおそらく、そうなのだろうと推測する範囲を超えないのですが。
 どうして風俗嬢の女性はあのような過酷であろう仕事場へ毎日通うのか?
それは彼女曰く、「自分を求めてくれている人がいるから。確実にあの場所に。自分を必要としている人がそこにいるから」という人が多いというのです。普段の生活の人間関係が(家族を含め)、うまくつながれない孤独な女性がその仕事を続けるというのです。
 仕事場で「居場所がない」ということを味わされているリストラのお父さんがいます。彼らの孤独と風俗嬢は実は同じ孤独感に苛まれていることがわかります。
 「人も求められる場所がほしい。人に求められている」から、生き甲斐を感じるのだと。