映画「ボビー」に音羽や!

東京マラソンの終わった6時45分から新橋で、「ボビー」の試写会が開始。
 1968年6月5日。アメリカ国民の希望、ロバート・ケネディ=通称“ボビー”が凶弾に倒れる16時間前…、現場のL.A.アンバサダー・ホテルには、様々な人種、年齢、階層、境遇に属する22人がいた。悩みを抱える者、秘密を持つ物、疑惑を抱く者、怒りを覚える者、愛が冷めた者、 愛に気付いた者、選挙の行方を気にする者…。それぞれの時が交錯しながら時間は流れていく。だが、誰一人として、これから起きる事件を知る由もなかった。60年代のヒットソングを背景に、アメリカ社会を22人の目線で描き出した衝撃のドラマ
 試写が終わり、スタッフロールが暗転の中、流れました。たった一人も席を立つ者はいません。明転になり、満席100人くらいのお客が拍手。
 この映画に招待してくださったムービーアイ・エンターテインメント株式会社配給元の友人の
  代表取締役社長兼CEO 唯敷和彦さん。彼も僕もこの事件が起きたとき、14歳。僕は明確に覚えています。
世界の喪失感を子供ながらに味わったのでした。
僕は小学校の上級のとき、おマセな子供でポマードをつけて、ジョンエフケネディを真似てケネディカットにしていました。
ケネディ兄弟というのは日本の子供にとっても自由の象徴でありました。
ケネディというアメリカの一大統領が日本の小学生がとても近距離に感じていた不思議な時代でした。長島茂雄と王とケネディは僕にとって同じ距離にありました。J・F・ケネディの演説がBG入ったシングル盤が当時、大ヒットした時代です。日本でです。
J・F・ケネディが暗殺され、続いて、ロバートケネディまでも暗殺。
自由とは平和とは、生意気に全国の14歳が考えたものです、おそらく。
あの日のドラマをグランドホテル形式のドラマで、ひとつひとつが数珠珠の短編のように22人の人間が描かれます。
それを描いたのが今まで、僕がどちらかというと、食わず嫌いで相手にしなかった俳優のエミリオ・エステヴェス(俳優のマーティン・シーンの長男で、チャーリー・シーンは弟にあたる。)今回の監督をやっているのです、しかも、彼のオリジナル脚本。
この台本が見事です。プロの脚本家の書いた台本のような出来なのです。
 事件のとき、エミリオ・エステヴェスは6歳。
そのキャスティングの妙です。
売れなくなった歌手のデミ・ムーア、夫の愛に飢えているホテルの美容師シャロン・ストーンの二人の汚れ役がすごい。すごい、老けメイク。セクシー女優二人はもう完璧に演技派へ完全転向。
隠し味にハリーベラフォンテを入れるあたりがにくいキャスティング。
僕はさらにキャスティングの複雑構造におもわず、ほくそ笑んでしまいました。
ベトナム戦争反戦を訴えたロバートケネディ
あのコッポラのベトナム戦争を描いた「地獄の黙示録」で、その地獄を語ったのは兵士役のマーティン・シーン。さらにマーティン・シーンデヴィッド・クローネンバーグ監督の映画「デッドゾーン」で世界を破滅にする大統領候補の役も演じているのです。そのマーティン・シーンもこの映画に出ています。当時、ケネディの支持者だったマーティン・シーンの6歳のエミリオ・エステヴェスをアンバサダーホテルに事件直後、連れて行ったというのです。
いやあ、この辺を知っていて見るとまたこの映画は楽しめます
[編集] キャスト
ハリー・ベラフォンテ - ネルソン
ジョイ・ブライアント - パトリシア
ニック・キャノン - ドウェイン
エミリオ・エステヴェス - ティム・ファロン
ブライアン・ジェラーティ - クーパー
ローレンス・フィッシュバーン - エドワード・ロビンソン
ヘザー・グラハム - アンジェラ
アンソニー・ホプキンス - ジョン・ケイシー
ヘレン・ハント - サマンサ
ジョシュア・ジャクソン - ウェイド・バックリー
デヴィッド・クラムホルツ - フィル
アシュトン・カッチャー - フィッシャー
シア・ラブーフ - ジミー
リンジー・ローハン - ダイアン
ウィリアム・H・メイシー - ポール・エバース
スヴェトラーナ・メトキナ - レンカ・ヤナチェック
デミ・ムーア - ヴァージニア・ファロン
フレディ・ロドリゲス - ホセ
マーティン・シーン - ジャック・スティーブンス
クリスチャン・スレーター - ティモンズ
シャロン・ストーン - ミリアム・エバース
ジェイコブ・ヴァルガス - ミゲル
メアリー・エリザベス・ウィンステッド - スーザン
イライジャ・ウッド - ウィリアム・エイバリー
超豪華キャスティング!彼らが大統領候補ロバートケネディに拍手するシーンはまるでビートルズのSGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND
サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンドのジャケットそのもの。
 試写会では石田純一さん、酒井ゆきえさん、松田聖子さんを長年マネージメントしている旧友米川さんと久々の再会。
そして、中川自民党幹事長もいらっしゃっていました。
中川さんの尊敬する政治家はジョンエフケネディ。合点がいきました。
音羽や!」と声をかけたい、いい映画でした、本当に。
エミリオ・エステヴェスの映画を見直さないと、人間、あなどっちゃいかんなあ(笑)