一流の人の凄み

1月3日草野仁さん司会で僕の企画でテレビ東京昼12時から、「正月からあぶない話満載!オールスターらくご暴露話!!」(イラストは漫画家のとりみきさん)。出演はなぎら健壱渡辺正行熊田曜子、ホリ、まちゃまちゃブラザートム梶原しげる、東、マギー審司浜口順子。王楽くんにお手伝い願いました。この収録はすごかった。何しろ、男子女子に分かれて楽屋が同じ。
12、3分をたった一人でしゃべる落語。そして、落語という伝統の力。ナベちゃん以外はすべて完全なオリジナル落語。一部作家が手伝った部分もあるが、基本的には自分の自作。このプレッシャーたるや、すごかった。あの渡辺正行くんもなぎらさんも、ブラザートムちゃんも自分のことだけに集中して、お互い、楽屋話ができない。無口。本番前のまるで「THE MANZAI」の楽屋の状態を思い出しました。たけしさんもぼんちも島田紳助さんもみんな無口でした。
本寸法で勝負してきた出演者の皆さん。やはり、アイドルの方も含め、伊達に売れてるわけじゃない。売れるには売れるわけがあると思いました。皆さん、きっちり稽古してきているのです。こんなに負担のある仕事はなかなかなかったと思います。出演者に感謝。
そして、今日、なぎらさんから電話。言われると思ってました。
「前の部分カットしてたね(笑)」
「すいません、言われると思ってました。あの黄金餅の・・・」
そうなんです。東京の町名をつら〜〜〜という落語「黄金餅」(故志ん生ですと「下谷の山崎町を出まして、あれから上野の山下に出て、三枚橋から上野広小路に出まして、御成街道から五軒町へ出て、そのころ、堀様と鳥居様というお屋敷の前をまっ直ぐに、筋違(すじかい)御門から大通り出まして、神田須田町へ出て、新石町から鍋町、鍛冶町へ出まして、今川橋から本白銀(ほんしろがね)町へ出まして、石町へ出て、本町、室町から、日本橋を渡りまして、通(とおり)四丁目へ出まして、中橋、南伝馬町、あれから京橋を渡りましてまっつぐに尾張町、新橋を右に切れまして、土橋から久保町へ出まして、新(あたらし)橋の通りをまっすぐに、愛宕下へ出まして、天徳寺を抜けまして、西ノ久保から神谷町、飯倉(いいくら)六丁目へ出て、坂を上がって飯倉片町、そのころ、おかめ団子という団子屋の前をまっすぐに、麻布の永坂を降りまして、十番へ出て、大黒坂から一本松、麻布絶口釜無村(あざぶぜっこうかまなしむら)の木蓮寺へ来た。みんな疲れたが、私(志ん生)もくたびれた。」)を思わせるなぎらさんの落語(自転車で走った経由を町名で一挙にいうくだり)の前半を時間の都合でカットせざる終えなかったのです。
「テレビを見ている人に見せたかったんですよ。あの部分、なぎら、落語のこと、好きだねって・・・(笑)」
「ごもっともです。絶対、これイベントでできますよ」
「できるよね、ま、飲みに行きましょう(笑)」
最後はお許しをいただいて安堵。
なにしろ、なぎらさんの話芸は20年前、マジュロというトラック諸島の島で1週間毎晩、今回のイラストの漫画家とりみきさんや鶴太郎さんとともに、なぎらさんのワンマンショーで「日本の演歌の歴史」を聞かせてもらって以来、惚れ込んでおり、なぎらさんの歌なしのCD発売イベントにも去年参加。この人の話芸はある意味、噺家以上です。
※時間の都合で、エンディングにかけさせていただいた達郎さんの「LOVE SPACE」が短くて残念。達郎さん申し訳ありませんでした