お笑い芸人と古典落語

 お笑い芸人さん達が、今、落語を盛んに勉強しています。
 僕の知っている限り、ウンナンの内村くん(高校時代落語研究会)は自ら、古典落語を銀座落語会で演じたり、コント赤信号の渡辺くん(明大落語研究会OB)も「時そば」をやはり、銀座落語会で演じたり、水道橋博士くんも古今亭志ん朝さんの音源をipodで聞いていたり、ますだおかたの岡田くんは林家いっ平くんに直々に習ったり、最近ではくりぃむしちゅーの上田くんが落語全集を買い込み、車で聞いているというのです。先日、上田くんと話していて、古典だけをやる噺家さん、そうではなく、新作を作り、しかも、古典落語を演じる噺家さん。上田くんは後者に共鳴すると言っていました。なるほど、芸人さんたちは「ネタ作り」という作家性を持ち合わせて、のし上がってきた人たちです。同じ、お笑いというジャンルでありながら、単に古典落語を踏襲するのみに力点を置く噺家さんに心の引っかかりがあるのは分かるような気がします。
テレビなどで活躍している芸人はある程度をキャリアを積んで行くと、MCとしての自分の地盤をしっかりしたものに固めたくなるのだと思います。たけし軍団は別として、芸人には師匠が今、ほとんどいません。そこに日本の伝統の力を注ぎたくなる。これは心情としてなんとなく、わかります
こんなに忙しい日々を送りながら、落語の話芸を研究する芸人とは、かくも、勉強家なのかと頭が下がります。
こういう探究心を青春の頃、お笑いではなく、勉学に注ぎ込んでいたら、東大合格だって、夢ではないと、いつも彼らを見ていて思います。マジに。