「延長十八回」終わらず　　選手はすでに二人逝去

史上２校目の夏３連覇を狙う駒大苫小牧（南北海道）と初優勝を目指す早実（西東京）の決勝は規定により、延長１５回１−１で引き分けた。駒大苫小牧・田中将大、早実・斎藤佑樹の両３年生エースの力投が甲子園の新たな名勝負を生んだ。再試合は２１日に行われる。決勝の引き分け再試合は第５１回大会（１９６９年）の松山商（愛媛）−三沢（青森）戦の延長１８回０−０以来、３７年ぶり２度目。高枚野球史上、最も感動的な一試合！
　僕は中学三年の夏、やはり函館地区の野球の決勝に進んだ年でした。主将で４番サード。北海道教育大学付属中学の野球部始まって以来の決勝でした。受験どころではありませんでした。どうして、あんなに夢中だったんだろう。これに勝つとその後、阪急ドラフト一位指名の佐藤義則投手投手と勝負できるというので野球部全員、死に物狂いでした。

　決勝は最終回サヨナラ負けでした。

　レベルは違うが、三沢高校と自分らとをダブらせて見ていました。
　三沢高校のお兄さんたちのその後が気になって仕方ありませんでした。
「延長十八回」終わらず　田澤拓也著　文春文庫があります。
かなり前に出た本が文庫本化されたのものです。
これほどまでにあの夏の日の試合をその後の彼らの半生まで追い続けた本はありません。
　
＜松山商業の人生の延長戦はどうなっていたのか？＞
　朝日新聞社に入社した松山商業のエース井上！

　当時、トイレも風呂も外にあった極貧だった谷岡は1000万円の契
約金で阪急プレーブスに。通算成績一割四分三度11年間のプロ生
活。プロでは通用せず、工具の永井産業で営業部長。「三沢高校　VS
松山商業」のことは誰でも知っているので営業に役立ったそうだ。
五番の久保田は駒沢大学野球部へ。同期は巨人の中畑、腰痛で高校
時代頂点を極めた男は底辺を歩き、卒業後、大卒ながら板前に。し
かし、一年で挫折。現在、松山市の恵原町の江南壮で働いていて高校野球の審判員もやっていた。
田中は社会人野球を目指し、スリーボンド社に入社後、腰を痛め、
松山に戻り、DIYのダイキに勤めながら、母校のコーチで電話機セールス
の会社を立ち上げるが、失敗。お寺の仏像、木魚などの品物を販売する宗像商会に入札。女の子は二人、八年目に離婚、子供それ以来会っていない。そして死亡。
　一年後輩の平岡は進学したかったが、一色監督にすすめられ、伊
予銀行に。銀行の野球部が廃部になり、酒に溺れ、退社。現在、海産物のはぎの食品。
　中村は丸善石油の野球部に。しかし、交通事故で一年間の入院。
野球人生にピリオドー20代半ばでJR宇和島駅から徒歩10分の
「焼き肉ホルモン・雀の巣」をオープン。
　西本は中大野球部へ、全日本大学選手権制覇。日本生命に入社。