居酒屋の店主に叱られに通う居酒屋SMプレーの人々(笑)

七月21日㈱JUMP(テレビ製作会社)社長松本さんと松本さんの地元森下で「さくら鍋」をいただいた。森下というのは実はグルメの街。みの家という老舗の「さくら鍋」の店は老舗。
鍋が小ぶりなのがいい。お肉もまったく臭みがなく、タレが甘くておいしい。卵焼き
、べったら漬けが酒の肴にいい。店の奥に1メートルくらいもあろうかと思われる巨大な酉の市の熊手が、この店の老舗の心意気を示していた。その隣にこれまた年代もののシチズンの巨大時計。掃除のゆきとどいた板張り
、ちょっとした庭があるのも涼を感じさせてくれた。
 松本さんは以前、僕もいたオフィストューワンにいた方。放送作家の関 秀章くんと共に、ニュースステーション金曜日の「久米宏の金曜チェック」を作っていた演出家。「金曜チェック」の本は当時、相当、売れた。松本さんは現在、テレビ東京「竹山先生」(カンニング竹山ソニン)や、若手二世の噺家ぼっちゃん5の番組など、製作、僕も関わっている。
 26,7年前、当時から松本さんの車で自由が丘の僕を
ひろってもらい、横浜中華街のバーに連れて行ってもらった。これがキッカケで横浜の魅力にとりつかれ、
僕は横浜に、松本さんはその後、下町の森下に住むことになったのだ。実は最近、釧路出身の松本さんのルーツはこの森下あたりだと発見したそうだ。僕は函館出身だが、東京の青山がルーツみたいだ。
 松本さんと老舗料理屋、居酒屋論を展開。
 これは僕が実際にきいた話しだが、老舗の居酒屋に名物ばあさんがいて、その人が立っているカウンターの前にすわるのが夢だといっている客がいた。で、その客はそのばあさんに説教してもらいたい、叱られたいと願っているというのだ。
 おもわず、「こいつバカか!」と思った(笑)
 なんで、金を出してまで、客が主人に邪険に扱われなければいけないのか?
 居酒屋通を気取っているいる奴は頑固一徹の四文字に弱い。この居酒屋SMプレーをしたくて、酒をその店に飲みいく。筋の通った店がやることではないと思う。また、店の主人自体が頑固な店主を演技でやっているところも結構ある。
 田中康夫さんの言うところの「サービス」(本来、神の奉仕)の意味とは何かをわかっているだろうか?
 その日、いっぱいで入られなかった居酒屋
「山利喜」に翌日、来訪。この食への執着、自分ながらに感心。
本店は入れなかったが、新館に入り、名物焼きとんが売り切れだったが、煮込みを堪能。今度は本館にチャレンジ。
※「山利喜」は大正15年創業。
 初代、山田利喜造が当時の深川区森下町に店を構えたのがはじまりで、水運業者や市場関係者などの多い下町で人気の店だったそうです。しかし、昭和20年3月の東京大空襲で他界し、店舗は全焼。残された2代目、山田要一は、店の再建を期して資金をつくり、昭和27年、現在の場所で山利喜を再開。調理人でなかった2代目が店の繁盛のために作り出したのが、煮込みとやきとんだった。
 現店主、3代目、山田廣久は、調理師学校卒業後、レストランに就職。フランス料理店オーナーを目標に修行。しかし、2代目の体調不良から、3代目を継ぐことを決意。当時、3代目26歳。その後昭和60年にそれまでのコの字カウンターのみの店からカウンター+イス席に改装。平成5年ワンフロアだった店を2階建てにし、客席を増設。現在の山利喜・本館の姿になる。そして、平成14年6月11日「山利喜・新館」をオープン。
※写真は㈱JUMP(テレビ製作会社)社長松本さん