「国家の品格」はなぜこれほどまでに売れたのでしょうか?

藤原正彦さんの「国家の品格」はなぜこれほどまでに売れたのでしょうか?
今、日本の読者は「理系の書いた文系本」に弱いのではないのでしょうか。
日本人の大概が理数系コンプレックスがあるのではないでしょうか?
理系が語ること=理詰めというトリックにごまかされている気がします。
決して、=ではないのに。
 養老さんの「バカの壁」のベストセラーも読者のこの理系コンプレックスというのが引き金になっていたのでは。(理系にこの手の本を書かせた仕掛け人の編集者の勝利だと思います。「バカの壁」のネーミングも担当編集者のアイデアだそうです。)
 ただし、個人的には養老さんの御本は藤原とは似て非なるものであります。
養老さんのは新しい発見がありました。とても、おもしろい本です。でも、ご本人売れすぎではないか?と思ったのではないのでしょうか?
 理系人間が天下国家を論じるという、ちょっとサプライズなコンセプトに、このところ読者はラッシュ時の混雑のように押し込まれているのではないでしょうか?
 ホリエモン村上ファンドを一時、容認した国民の空気も「難しい数字が並んで、なんだかわからないけど、凄そうだ」という理系風味の経済学に押し込まれていったのではないでしょうか?
 藤原正彦さんはなにも目新しい主張が見当たりません。
 昔、町内にこういう天下国家を語るおやっさんが床屋さんとかで
 いたもんです。こんな比喩、もうピンと来ないか(笑)
 ハマコーの魅力と類似している気がします。
 我に代わって「言ってくれた!」というテレビ的な受け方。
 テレビ的であるがゆえに売れたのかもしれません。
 新書ブームです。
 昔のようにただただ難解な教条主義的な新書よりおもしろい新書が函館の朝市のように(笑)花盛りです
 それは拍手しているのですが、でもね
藤原さんの御本の「国家の品格」以前の評価はとても、僕の仲間内には評価が高いのですが。