今年、二度目の7月の芥川賞直木賞の発表の季節が迫ってきた。
時代小説家の
の短編「下駄屋おけい」読了。上手い。
登場人物の男性が女性に思う藤沢周平のような優しい匂いのする文章である。だから、女性作家の筆致とは思えない。
それまでの宇江佐作品が今、一歩ストーリー展開が弱いと暗に思っていた数々の選考委員の阿刀田高さん。
この小説で作品が完璧な時代小説になったと、阿刀田高さんの応援解説が、泣かせる。
カバーは安里英晴さん
宇江佐真理さんはこの作品ではないが、直木賞候補にもかつてなり、ついに2015年66歳の若さで亡くなった。
生きておられたら、遅まきながら直木賞をいつか取ると思っていたので、つくづく、悔しい。