NHKブランドの復活

  ラルフローレンなら、ラルフローレンならではシャツの色合い。市川團十郎家なら荒事の芝居と、ブランドに対する期待値が募るものです
  もう、随分、時間が立ち、間が抜けすぎたお話ですが、個人的に北京オリンピックの収穫がありました
NHKのスポーツ中継にNHKブランドの復活です
  個人的好みのですが、オリンピック中継はなるべく、NHKの中継アナウンサーで見たい。もちろん、他局でも何人か、僕の好きな中継アナウンサーはいます。
かつてのNHKの名物スポーツアナウンサーのあの西田さん、向坂さん、そして、羽佐間正雄さんなどなど、いらっしゃいました。
  昭和の古い時代に育った方々なので、落語、徳川無声、浪曲などの「節」がこの方々にはあります。ベースが落語、徳川無声、浪曲なのです
このお三人がNHKの「ラジオ深夜便」で、リラックスしてお話になるのを聞いて、これは噺家さん同士の楽屋の会話に聞こえました。「・・・・・まさぁねえ」「ちょいと・・」なんて言葉がバンバン出ます
 NHKのアナウンサーは日本の伝統の和芸の継承者でもかつてありました。
  糸井重里さんばりのキャッチコピークリエーター能力を各自が持ち、彼らはスポーツを中継しておりました。
そして、件の素養があるので語りに「節」がつく。
  これはアナウンスというより、「唄」に聞こえる。そう、古今亭志ん朝の落語のように調子がいい。
 だから、調子がよく、心地よい。だから、NHKのスポーツ中継が僕は好きだったのです
 「人類最速の欽ちゃん走りだ!」――。
 北京五輪中継のこの“名ゼリフ”が注目を集めました。陸上・男子100メートルでボルト(ジャマイカ)が、横を向いて走りながら9秒69の世界新記録で優勝したときに飛び出した。
 この中継は誰なんだ?伝えたのはNHK・刈屋富士雄(48)さん。刈屋さんは過去7回の五輪で実況を担当し、数多くの名ゼリフを生んできた“名物アナ”。04年アテネ五輪では、体操男子団体の冨田洋之が鉄棒で着地する際、「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への懸け橋だ!」と実況して話題になった。
 刈屋さんは静岡県立御殿場南高から早稲田大学社会科学部を経て83年に入局。福井、千葉、東京、京都、東京、福岡と異動し、今春からは出向扱いで情報ネットワークに所属している。印象に残る実況の数々から、刈屋さんを“ミスター・オリンピック”と呼ぶ声もあるという。
刈屋さんは五輪以外では大相撲や競馬などの中継も担当。三つ子のパパでもある。
スポーツ中継はNHKのお家芸
名物スポーツアナウンサーのブランドがちゃんと保たれているのが、個人的にはうれしいのです
  素晴らしきスポーツバカもいるように、素晴らしきスポーツ中継バカ!(すいません、変な表現で)こういう人がいることがうれしいのです