音楽の神様

偉大なるプロのギターリスト ブッチャー浅野くんを失った音楽界の損失は大きいです
彼の通夜にはExileDEPAPEPE梶原順さんとブッチャー浅野に影響を受けた)のメンバーも来ていたほど、広い層のミュージシャンに支持されたミュージシャンでした
初めてブッチャー浅野くんに会ったのはおそらく、杏里さんが日本テレビの「ザ・トップテン」に出演した時だと思います。
僕は当時、「ザ・トップテン」の番組の台本を書いていました。
角松くんがプロデュースした杏里さんのアルバムが大ヒットした時でした。
それから、何年立っていたでしょう?
浅野くんの「空と海と風と」の一枚目を作りに僕は参加しました。
僕はアルバムのギャグの台本書きと、キャスティングをやりました。角松くんからの依頼でした。(阿鼻きゅうかんの角松くんのカセットテープも僕が台本を書き、司会役で出演もしています。)
その出演者の中にはその後、ホイチョイプロダクションの映画「波の数だけ抱きしめて」の準主役の坂田くんもいました。現在、彼は爆笑問題の事務所にいます。自転車コンクリートの女優さんも参加したと思います。当時の担当マネージャーさんはゴズペラーズの事務所の社長の小林秀俊君です。
 そんなことから、角松くんを通じて浅野くんと付き合いが始まりました。
僕は浅野くんに頼まれ、彼の楽曲のデモテープの作詞をし、歌入れをしました。彼と一緒にライブをやろうというので。 生まれも同郷の北海道ということで話も盛り上がりました
当日、彼のえらい遠い埼玉?東京下町の実家まで行き、僕は風邪を弾いていてガラガラ声でした。
 ひどい声の歌いれでした。でも、POPな浅野くんの曲で、自分の作詞した詞も我ながら、お気に入りでした。
 彼の音作りを目の前でじっと見ていました。
 ギターはもちろん、浅野くんは超一流ですが、キーボードの打ち込みのタッチが見事なのには驚きました。
 それに合わせて、ふざけて、僕はギターを弾きました。
 下手な僕のフレーズを「渋い!コーネリドユープリーみたいだ」と、ほめてくれました。お世辞も半分以上、入っていたと思います。
 埼玉から遠いのに僕を横浜まで彼はデモテープを聴きながら、車で送ってくれました。そのことはありがたかったのですが、彼の運転は危険で、前方の車と1メートルくらいしか車間距離をおかないのです。
 「ブッチャー、お前、オレを殺す気か!車間距離、車間距離!」と嘆くと「わかりました」と返事しながら、5分後、また、車間距離が一メートル。
「ブッチャー!」と僕が叫ぶと、「大丈夫、大丈夫」と飄々としているのです
 その間、浅野くんとはハラハラしながらも音楽談義。
 この時のことをよく覚えています
 浅野くんは二言目には「角松敏生はギターがうまい」でした。
超一流のギターリストの浅野くんの発言だから、重みがあります。
僕も同じ見解で、「角松のギターは歌を歌っている」でした。
一方、角松くんはギタープレイをいつも謙遜し、浅野さんにはかなわないと言っていました。
しかし、ギターリストの浅野くんはきっちり、角松くんをシンガーソングライターだけではなく、ギターリストとして評価しているのが角松バンドの「強さ」です
角松バンド、達郎さんバンド、ユーミンさんバンド。
僕の知っている限り、この3バンドは多少、入れ替わりがあるにしろ、バンドメンバーが不動です。
バンドが単なるバックバンドではないのです
歌い手とバックバンドの関係が濃いのです。
あの幻冬舎の名編集長見城徹さんは村上龍氏との付き合いを内臓を擦り合う付き合いと書いていました。作家と編集者はそうでなければいけないというのが見城さんの持論でした。
この三つのバンドもボーカリストとバックバンドの関係がそれだけ密な関係だと思います
角松バンドの屋台骨のひとつを背負っていたのがブッチャー浅野くんでした。
バックミュージシャン、スタジオミュージシャンこそがミュージシャンの中のミュージシャンです
僕はそう少なからず、そう思っています
スポットライトを浴びて、一番前に立っている奴だけがミュージシャンではないのです
バックミュージシャンこそ「音楽の神様」です 
そんな思いを込めて、CS日本(日本テレビ系)の番組「音楽の神様」という番組を僕は構成、インタビュー、ブッキングをしました。本名、または「函館三郎」というペンネームで仕事しています。
番組の企画意図はスターやヒット曲の背景には、作曲家、作詞家、アレンジャーの存在の他に、サウンドを支えている腕利きのミュージシャンの存在があります。彼らの力なしに、スターやヒット曲は誕生しません。彼らこそ、音楽の創造の神様です。この番組では、スターやヒット曲を支える音楽家にスポットを当て、あの忘れられないフレーズを再現、ヒット曲の収録スタジオ秘話などを語ってもらうもの。
今でもオンエアされているようなので、ご覧ください
この番組でブッチャー浅野くんを取り上げられなかったのが悔いが残ります

これから放送するラインナップは

#14 古川昌義
ギタリストの古川昌義氏をゲストに迎えてお送りします。
1964年大阪府生まれ。7歳の頃からクラシックギターのレッスンを受け始め、11歳のときに兄とジョイントリサイタルを行う。81年にポピュラーミュージックにのめり込み、その後、平松愛理と「ワンダーラスト」を結成する。87年に上京、「今田勝NOW WIN」に参加。以後、様々なアーティストのレコーディング、ツアーに参加・プロデュースする。代表的なレコーディング&ツアー参加アーティストは、鈴木雅之、CHAGE&ASKA、元ちとせなど。CM、TV音楽も手がけ、自身のソロアルバムも4枚発表しており、ヴォーカリストとしても活動している。
番組で演奏してくれるのは、平井堅の大ヒット曲「大きな古時計」。

#15 松原秀樹
ベースの松原秀樹氏をゲストに迎えてお送りします。
松原さんは、ジャニーズ事務所出身の異色のスタジオミュージシャンです。テレビタレントとしてドラマ「ゆうひが丘の総理大臣」などにも出演しましたが、その後1984年よりミュージシャンとして本格的にスタジオワークを開始。高中正義中島みゆき大江千里中西圭三岩崎宏美などの多数のツアーやレコーディングに参加して今度は売れっ子ミュージシャンとして活躍。最近は、槇原敬之の「どんなときも」のレコーディングに参加。さらに角松敏生稲垣潤一平原綾香などのライブ、ツアーへ参加するなど幅広く安定した活動を続けています。
スペシャルパフォーマンスは中島みゆきのあの名曲「地上の星」です。

#16 重実徹
キーボードプレイヤーの重実徹さんを迎えてお送りします。
1959年東京生まれ。大学在学中よりミュージシャン活動を開始して、山下達郎氏のバンドなどに参加した。スタジオのキーボードプレイヤーとしてCHAGE&ASKAの「SAY YES」、アレンジャーとしてはKiroroの「長い間」などのヒット曲がある。さらに「ペンタの空」「リスキー・ゲーム」などの映画音楽も手がけている。
スペシャルパフォーマンスはCHAGE&ASKAの名曲「SAY YES」。

#17 三沢またろう
今パーカッションプレイヤーの三沢またろう氏を迎えてお送りします。
1960年北海道生まれ。大学の在学中から多くのバンド活動に参加し、「米米CLUB」のメンバーとしても活動した。日本でも数少ないパーカッションのスタジオミュージシャンとして大活躍。最近では、桑田佳佑、サザンオールスターズ福山雅治浜崎あゆみ井上陽水槇原敬之SMAP、ゆず、PONTA BOX、DAPUMP、CHEMISTRYなど多くのアーティストのレコーディング及びライブサポートとして参加している。
スペシャルパフォーマンスは桑田佳佑の「波乗りジョニー」です。こんなにいっぱいパーカッションが使われていました!

過去に放送したのは以下です


#1 内海利勝
キャロルのリードギターを務めた内海利勝氏をゲストに迎えてお送りします。
ギターを始めたきっかけや、キャロルに加入するきっかけ、1973年の大ヒットナンバー「ファンキー・モンキー・ベイビー」のイントロ誕生のエピソードなどをじっくりとお聞きします。さらに、「ファンキー・モンキー・ベイビー」をアコースティックバージョンで披露してもらいます。ギター1本で演奏したこの曲が聴けるのはこの番組だけ!

#2 小林信吾
今回は、KANの「愛は勝つ」を編曲したキーボード奏者、小林信吾氏をゲストに迎えてお送りします。
大学在学中よりキーボードプレーヤーとして注目され、80年代には尾崎亜美、中原メイコなどのキーボーディストとして参加。1991年、アレンジを担当した「愛は勝つ」が空前の大ヒットを記録。日本レコード大賞を受賞。その後、日本国内の活躍に留まらず、海外レコーディングも多数こなし、海外アーティストにも支持される。また、ドラマやアニメのサウンドトラックを担当する。現在は、中島みゆき浜崎あゆみなどのレコーディングとツアーに参加する傍ら、ピアノデュオユニット「MAOCHICA」を、斉藤ノブらと共にユニット「Vibes」をそれぞれ結成、精力的に活動を行っている。
番組で演奏してくれるのは、「愛は勝つ」。

#3 青木智仁
今回は、杏里の「悲しみがとまらない」のベース演奏を担当した青木智仁氏をゲストに迎えてお送りする。
19歳のときに出場したヤマハのコンテストでベスト・ベーシスト賞を受賞したことで、プロの道を歩む。その後、角松敏生のサポートとなり、プロとしての活動を始める。その活動は多岐に渡り、様々なアーティストのサポートや、スタジオミュージシャンとしてのレコーディング参加、ライブハウス等でのセッションをはじめ、1989年にはソロアルバムを発表。B’z、杏里などのレコーディング、渡辺貞夫グループのワールドツアーにも参加するなど、意欲的に活動。SPEEDの解散ツアー、再結成ツアーへの参加も話題になった。2002年には自らのバンド「FOUR OF A KIND」を結成。また、音楽誌「ADLIB」の国内アーティスト人気投票、ベース部門において、10年連続、13度にわたり1位 を獲得(2003年時点)。
番組で演奏してくれるのは、「悲しみがとまらない」。
青木智仁氏は2006年6月12日、急性心不全でお亡くなりになりました。ご冥福をお祈りいたします。

#4 村岡建
今回は、サックス演奏者、村岡建氏をゲストに迎えてお送りします。
加山雄三の「君といつまでも」、ガロの「学生街の喫茶店」、山口百恵の「横須賀ストーリー」などといった、現在でも有名な楽曲のレコーディングやステージに数多く参加。また、テレビ番組「太陽にほえろ!」「ルパン三世」「傷だらけの天使」、映画「人間の証明」、そしてCMでも日産自動車キッコーマン永谷園ソニーウォークマンアサヒビールなどを担当する。現在は阿川泰子のバックバンドのリーダーを務める傍ら、後進の育成に情熱を傾けている。
今回、番組で演奏してくれるのは、「ルパン三世」。

#5 伊集加代子
今回は、コーラスの伊集加代子氏をゲストに迎えてお送りします。
歌ってくれる曲は、「アルプスの少女ハイジ」。
スタジオミュージシャンとして活動を始め、CMソングなどを歌う。バックコーラスとしても、数多くの歌手のレコーディングに参加する。テレビ番組のテーマ曲では、「11PMのテーマ」「ルパン三世のテーマ」「アルプスの少女ハイジの主題歌・おしえて」、CMでは「ネスカフェゴールドブレンド」「日立グループ・この木なんの木」など、誰もが一度は耳にしたことのある有名な曲を担当し、「スキャットの女王」と呼ばれる。現在は、女性コーラスグループNechoes(ネコーズ)のメンバーとして、CD発表やライブ活動を行っている。

#6 妹尾武
ピアノ奏者の妹尾武氏をゲストに迎えてお送りします。
妹尾武氏は、ゴスペラーズ高橋真梨子鈴木雅之平原綾香などのレコーディングやライブに参加。
また、ゴスペラーズ「永遠に」、高橋真梨子「枯れない花」、鈴木雅之「君の未来、僕の想い」、平原綾香「あなたの腕のなかで」など、 作曲家・作詞家としても様々なアーティストに楽曲を提供するなど、目覚しい活躍を見せている。今回、番組で演奏してくれるのはゴスペラーズ「永遠に」。この番組だけでしか聞けない話、聴けない演奏をお見逃しなく!

#7 神保彰
ドラマーの神保彰氏をゲストに迎えてお送りします。
神保彰氏は、1980年、カシオペアでプロデビューして以来、常に音楽シーンの最先端を走り続けるトップドラマー。ミディードラムトリガーシステムを駆使した“ワンマンオーケストラ”という独自の演奏スタイルを編み出す。その評価は国内はもとより、広く全世界に轟いている。現在の主な活動は、カシオペアのサポート、熱帯ジャズ楽団、など。
番組で披露してくれるのは、ワンマンオーケストラ(ひとりオーケストラ)。ドラムでオーケストラ全ての音を出すテクニックは圧巻だ。

#8 弦一徹
バイオリニストの弦一徹氏をゲストに迎えてお送りします。
弦一徹氏は、89年よりG_CLEFのメンバーとして活躍。解散するまでの間に多方面 で話題となる。95年にはソロアルバムを発表。現在、バイオリニストとしてのソロ活動以外に、CM音楽や各アーティストのストリングスアレンジ、ライブ活動などを幅広く手掛けている。
番組で演奏してくれるのは平原綾香が歌って大ヒットした「Jupiter」。

#9 梶原順
ギタリストの梶原順氏をゲストに迎えてお送りします。
梶原順氏は、本田雅人らと「WITNESS」を、青木智仁らと「SOURCE」など、いくつものバンドを結成する。「渡辺貞夫Group」にも参加。現在の活動は、浅野祥之らと1999年に結成した「J&B」をはじめ、角松敏生のサポートや、スタジオワークを中心に活動している。
番組で演奏してくれるのは、SPEEDの大ヒット曲「White Love」。

#10 勝又隆一
キーボード奏者の勝又隆一氏をゲストに迎えてお送りします。
勝又隆一氏は、尾崎豊米米CLUBなど数々のアーティストのツアー・ライブに参加。編曲を主としているが、作曲、キーボードプレイヤーとしても意欲を注いでいる。現在は、本田美奈子米倉千尋のプロデュースも手がけ、自ら発掘、プロデュースした「Key Of Lover〜access〜」が2004年夏にデビューした。
番組で演奏してくれるのは、米米CLUBの大ヒット曲「君がいるだけで」。

#11 和田アキラ
ギタリストの和田アキラ氏をゲストに迎えてお送りします。
和田アキラ氏は、16歳のときに、プロのギタリストになるため松木恒秀氏に師事。その後、ベースの渡辺建氏と出会い、18歳のとき、バンド『PRISM』を結成。一躍脚光を浴びる。PRISMの活動をする傍ら、高橋ユキヒロ、井上陽水森高千里などのアルバムやツアーに参加。彼を慕う若手ミュージシャンも数多く、永井敏巳、菅沼孝三らとの共演など幅広く活躍している。
番組で演奏してくれるのは、PRISMのヒット曲「ラブ・ミー」。

#12 倉田信雄
ピアニストの倉田信雄氏をゲストに迎えてお送りします。
倉田信雄氏は、ネム音楽院在学中、スタジオ、セッションワーク及び作曲、編曲活動を始める。美空ひばりちあきなおみ等のレコーディングアレンジ、プロデュースはじめ、森山良子、中島みゆき、山下達朗、さだまさし等のツアーサポートなど務めた。現在は、さだまさし、森山良子などの音楽監督を務め、幅広く活躍中。
番組で演奏してくれるのは、ピアノ演奏でPVに出演した森山直太朗の「さくら」。

#13 江口信夫
ドラマーの江口信夫氏をゲストに迎えてお送りします。
1958年東京生まれ。8才よりドラムを始め、日本大学芸術学部放送学科卒業後、プロドラマーとして活動を始める。86年、松任谷由実との活動が始まり、以後94年までの8年間、延べ600回のステージをアルバムに参加。95年には、初のプロデュース作品となる松田博幸のアルバムを発売。その他、CHAGE&ASKA「SAY YES」、槇原敬之「どんなときも」などミリオンセラーヒットソングのレコーディングにも、数多く参加している。
番組で演奏してくれるのは、ヒット曲メドレー。